コエガタリ

声優ファン歴10年のアラサーが声優さんについて書き殴るブログ

【BLCD】夜はともだち

www.comicbox.co.jp

発売日:2022/08/26
出演:阿座上洋平(真澄 龍一)×増田俊樹(飛田 白)ほか

“いたぶること 唯一ゆるされた愛しかた”
ノーマル似非S×真性ドM
「SとM」役以上の繋がりを求めてはいけない──?

顔は可愛いのに無口で無表情でミステリアスな飛田くん。
実は飛田くんがゲイでドMだと知った真澄は、
好奇心からサド役を演じることに。
『飛田くんが真澄の名前を呼んだらプレイ終了』という唯一の約束。
それは2人のつながりの終わりも意味していたのだが、
真澄はプレイメイトという限定された関係以上を期待するようになり──。

類い稀なセンスで絶妙なバランスの2人を描く注目の一作。

飛田と真澄が初めて一緒に過ごした夜
描き下ろしエピソード「夜はともだち #0.5」も収録。

 

また久しぶりの感想記事!

最近、試し読みをして興味が湧いてCDを聞いたんですが、めちゃくちゃ刺さった。まず、作品自体がとても好き。基本、商業BLはCD化した買う予定の作品しか読まないので、最近読む作品はライトでエロが多くて楽しく読めるものばかりでした。

今作は2014年の作品だからか、どこか切なくて、歪で、真っ暗ではないけど月明りが差しているようなほの暗さがある空気感なのがとても新鮮でした。また、2014年はCDを聞き始めの頃でもあるので、その時代の作風に親しみがあるというのもあると思います。

SMプレイは、基本各トラックに1回入ってきますが、漫画で見るよりも刺激の強さはないです。原作片手に読むと物足りなさはあったけど、聞いていてしんどくないので、聞きやすさという点ではそれで良かったかもしれない。全編通して、静かで淡々として、それでいて繊細な原作の世界観が音で再現されていました。メインキャスト2人のお芝居も他作品では聞いたことがないような、なんというか「生っぽい」演技だと感じました。

まず、飛田役の増田さん。実は増田さんのBLを聞くのがとっても久しぶりでした。増田さんはお芝居が独特だと思っていて、それが自分に合わないかもしれないと気づいてから、出演作を聞かなくなったというのもあって聞く前は緊張しました。

いざ聞くと、自分の中に違和感が出てきました。具体的に言うと、相手と対話していない、前に向かってしゃべっているように聞こえたんですよね。最初はそれが気になってしまって集中して聞けなかったんですが、再度原作を読み直して腑に落ちました。飛田って、基本的に人に対して興味がないんです。真澄に対しても、話しかけられて答えてはいるけど、相手のことを全然見ていない。なので、対話しているように聞こえないのはむしろ正解なのでは、と思い始めてからは自分の中で増田さんのお芝居が馴染んでいく気がしました。

良いなと思ったシーンがいくつかあって、まずは、飛田が真澄にプレゼントを家のベランダから放り投げるシーン。真澄に対して、プレイ以外では興味のなさから表情がない声で接していたのが、ここでの声色が若干好意を滲ませた優しい声で良かった。微笑んだ時の息と「バイバイ」って台詞だけでそれが伝わった。

次に、絡みの時に飛田についていた血がキスで真澄の口元についた時の心配を匂わせる息遣い。飛田は口数が少なくて、漫画だと表情で見せる部分を息のみで表現している箇所が多かったんですが、息だけのとこが良いと思うこと多かったかもです。最後に泣き芝居。失礼ながら、泣き芝居こんな良かったっけってビックリしちゃった。

ただ、M属性が表に出るプレイ時と普段とのギャップはもっと欲しかったというのが正直なところ!ここが飛田の魅力だと思っているので。今作、マジでいろんなプレイがガッツリ描かれてまして。

トラック1:緊縛、足コキの押しつぶし

トラック2:首〇り、頭部殴打、口に布を突っ込んだまま鼻を塞ぐ、首絞め

トラック3:目隠しとハサミ

トラック4:手錠と足錠、外でバ〇ブ、顔面蹴る

トラック5:足錠による監禁

淡々としてるから怖さをそんなに感じなかった(直近にやったゲームのせいで麻痺してると思う)んだけど、こうして文字にして羅列するとすごいな……。

飛田は普段は目に光がなくて何も興味がないんですけど、プレイ時は顔を赤らめて興奮して、気持ちいいことが大好きな男の子なんですよ。なんだろう……発情してる感がなかった!(なにを言ってるんだろう)

絡みで1番良かったのは、最後に真澄が愛情をもって抱いてる時でしたね。控えめで奥ゆかしい吐息が逆にエロかった。生々しささえ感じたかもしれない。ただ、この絡みはこの後書きますが、攻めの阿座上さんの声が良すぎてそっちに意識が集中しており、あんまり記憶にないです。

次に、真澄の阿座上さん。阿座上さんメインのCDはこの2年で5作聞いてきたんだけど、これまでにないキャラかつお芝居で面食らった。攻めポジの阿座上さんって声が低めで一途で、揺るがない強さを持つかっこいい役が多い印象なんだけど、真澄って母性寄りの包容力と優しさがある地声に近いトーンなんですよ。

攻め視点で話が進むのでモノローグ担当でもあるんだけど、永遠に聞いていたいモノローグなので聞いてほしい!童話を読み聞かせるような声色というのが、私の発想力の限界。「銀河鉄道の夜」を読み聞かせてそう。

私、真澄というキャラが大好きなんですけど、何が良いかって、飛田のために本来はSではないのにSを演じているのと、でもSの素質はあるために、感情が昂ると結構酷いことするし、痛めつけることに快感を覚えていて、そんな自分を恐れているのが良い。そしてプレイメイトとして見られていて、自分自身のことを見てもらえないことを寂しく思っているのも良い。飛田のために尽くす姿が好きです。

このCD、SMプレイが半分以上を占めているんですけど、それぞれ演じ分けされているのを勝手に感じ取ってました。トラック1だと罵声にちょっと戸惑いが感じられて、トラックを経るにつれなくなっていくように聞こえたんですよね。

一番怖かったのが監禁してる時でした。SMプレイの時っていじわるな声色に変わるんだけど、この時は普段の声色で飛田に足錠つけて監禁してますからね……。自然にペットに出すみたいに浅い皿に水入れて飲ませてるのはさすがに怖かった。でも、真澄になら、阿座上さんの声になら監禁されたいって結構本気で思いました。

個人的には、真澄の阿座上さん大好きで全部について言及したいんだけどキリがないので、一番好きなシーンについて書くことにします。増田さんのところでも触れた、最後の絡みです。正直、「マジで好きだから聞いて???」しか言えることがないんだけど、頑張って言葉をひねり出すことにします。

飛田との会話後にある真澄のモノローグ。

本当は 飛田くんが俺の目を金星にしたあの夜から
俺はもう 飛田くんに触るのが 怖くてしかたがない

「本当は」の声が少し震えていて、真澄の抱える怖さを表現していて、その震え加減が繊細でいいんですよ!!!!!これ聞いて、「わ~~~!!!」ってなった(語彙の消滅)

あと、身体を重ねた後に、1人ベランダに出る飛田に向けてのモノローグの最後。

そんな格好で出たら寒いよ 戻っておいで

ここが!ここがいいんですよ!!大切な宝物、例えば親が大事な子どもに対して優しく語り掛ける感じ。愛情がこの短い言葉に詰まってて本当に良いんですよ!!!聞いてください!!!!

なんだろうな、飛田に向けている声からは感じられないような深い愛情がモノローグにはあって、それでウワァ~~~ってなるんだよな。なんですかこの感情は?

これを書くとこれまで書いてきた内容が台無しになる気がする、それを覚悟で書きますが、マジでこの絡み時の攻めのお芝居が大好き過ぎて、もはやシチュCDとして聞いていることをここに懺悔します!!!

阿座上さんの攻め作を聞いてきましたが、着実にお上手になられてるんですよ……。SEが上手かったとかではなく、なんだろう、すごく生々しい感じが、なんかもう好きで……息の入れ方がツボ(小声)これに関しては聞いてもらわないと分かってもらえないし、好みがあるので深堀りしないことにします。

 

ぜひいろんな方に聞いてほしいですが、内容が内容なだけに人を選ぶ作品だと思うので、もし原作ファンだったり、キャストファンで少しでもここまで書いてきたことに興味を持ってくれた方にはぜひ聞いてほしいです!

 

来月、メインキャスト2人のポジションが逆転かつ作風もライトかつエロ成分多めな作品が出るので俄然楽しみになりました!!!(予約済)
脇役が千晃くんと熊谷くんなのも俺得すぎる。