コエガタリ

声優ファン歴10年のアラサーが声優さんについて書き殴るブログ

【BLCD】愛しき人魚

www.animate-onlineshop.jp

発売日:2022/2/25
出演:小野友樹(ミカギ)×山下誠一郎(海)、榊原優希(錦)、田所陽向(クロ)、加瀬康之(正一)、武田華(東)ほか

「お前は綺麗で優しい俺の人魚だ」

人魚の呪いを受けて生まれた彫師・海(うみ)は、生まれながらに漆黒に染まる右目を持ち、醜い痣が右半身を覆っていた。親からも忌み嫌われた痣を隠すように見事な刺青を入れ、世を忍びながら生きる海だったが、インチキ霊媒師のミカギと出会いその日常が変わっていく――
バケモノと呼ばれた青年の、生涯一度きりの恋。
コミックス描き下ろしの2人と2匹の甘すぎる日々も収録!
ひじき先生が贈る、チャラめインチキ霊媒師・ミカギ×呪われた孤独な彫師・海の一生に一度の恋がついにドラマCD化!

漫画を読んだ時点でミカギや海の境遇がなかなか辛く、音声で聞くのしんどいだろうなと思っていましたがやっぱりしんどかった!でも声優さんの熱演も相まってかなり聞きごたえのある作品だったと思います。

絵がない分説明を加えたり、効果音を入れるなど工夫はされていたものの、CDだけだと分かりにくい箇所があるので、漫画片手に聞いた方が良いかなとは思いました。台詞はなくても良い部分を落としているため、違和感はなかったです。

BGMが少々大きいのか、最初の方の誠一郎くんの声が聞こえにくいと感じましたが、後半の正一の館に連れ込まれてからのBGMは切迫感があって、全体的には良いと思いました。

小野さんは個人的に久しぶりでめちゃくちゃ楽しみにしていました!登場時の胡散臭い霊媒師っぷりからイメージ通りで、海を好きになって誠実になっていく様や悲しい過去を語る声の弱さの表現はさすがですとしか言えない。

花魁の東さんに一度も服を全部脱いだことがないことを指摘された時や、海に両親のことを聞かれた時の答え方にほんのちょっと含みを持たせてるように感じさせるのが上手い!!!!!って思った。

絡みの時は声かっこいい~~~と思うのと同時に、やっぱ受け聞きてえ~~~という思いに支配されてしまいました!ごめんなさい!!

海の誠一郎くんは分かり切っていたけどやっぱりはまり役でしたね!!!入りのモノローグから引き込まれました。最初の海は鯉と金魚の姿をした妖と共に過ごしているものの、人とはほとんど話さないため、話し慣れていないぼそぼそと暗い話し方なのですが、ミカギと出会ってから少しずつ明るくなっていって、くっついた後と比較すると声の高さや話し方が明るくなっているのが分かりました。
インタビュー記事でもこのように話していたのでやっぱり意識してたんだな~~~って読み直して納得しています。

山下:別収録で聞けてない方の声やお芝居も気になるんですよね。期待という意味で沢山気になる所はあります。海の関わってくるところだと、序盤のミカギとの出会いから最後に至るまでの心の変化ですね。あまりガラッと大きく変わるってわけでもなくて、徐々に徐々に生活の中で変化していくっていうところを意識したのでそこが海の聞きどころになるのかなと思います。個人的にはやっぱりこの四人に対して凄く影響を与えた正一のシーンは、聞きたいなと思いますね。終盤がどんな感じになったのか、今の段階では想像でしか補えてないので。加瀬さんはこう演じられたのかなっていう想像はできても、実際はもっと凄いはずだし。正一は、町の皆に凄く慕われているからこそ……根っこの部分でどう思っているのか。やっぱりそういうところも気になります。正しいとか間違っているとか。良い悪いとか善悪とかっていうのも作品のテーマの一つだと思うので、正一とのシーンでちょっと考えさせられるセリフを海が発しているので、そこも楽しんでいただけたら嬉しいです。

引用:BLCD『愛しき人魚』出演の山下誠一郎ほかインタビュー到着! | アニメイトタイムズ (animatetimes.com)

ミカギに刺青と黒い目を褒められた後や可愛いと言われた後の反応がめちゃくちゃウブかわで、ふいに見せる海の本来の純粋さや素直な部分がとにかく可愛くて、誠一郎くん最高だなって思いました!

ミカギが1度泊まった後の「じゃあ…近い内…また来てくれ…」も絶妙じゃなかった!?あからさまに残念な気持ちが声に出ちゃってて可愛かった!!!

あと、誠一郎くんの泣き演技めちゃくちゃ良いです。「魔彼」という作品のトラック1でレ○プされてる時に泣きじゃくる誠一郎くんが性癖ストレート直撃だったんですけど、しくしくと泣くのがいいんだよな!!!

母親からの虐待を思い出して過呼吸になるのも臨場感があって、展開を知っているのに緊張してしまったし、その後嘔吐する前の苦しそうな声もリアルだったな。生々しいのでそういった声が苦手な人にはおススメしにくい……。

また、インタビューでも話題が上がっていた猿ぐつわのシーン!小野さんも褒めてたけど、猿ぐつわされているのが伝わる声の出し方でマジで職人だなと感心しました。原作読んでいたものの、所々抜けてて、猿ぐつわされてるのも忘れていましたが音だけで分かりましたね。

いろいろ書きましたが、私は今作で誠一郎くん熱が再燃しました!!!

メイン2人だけでなく、脇役も個性豊かな面々。

錦の榊原くんは錦の純粋過ぎるキャラが合ってたし、クロの田所くんはツンデレ頑固お父さんな役づくりが個人的に好みでした。シリアスメインなストーリーのコメディパートを担う2人のバランスの良さが好きでしたね。改めて、声質が武器なお2人だなと。

続いて、正一役の加瀬さん。とにかく声が良すぎる。私の中で加瀬さんと言えば「NARUTO」のカンクロウで、キャラ自体はあまり好きではなく可も不可もなくという印象でした。BLに出演されてるイメージがなかったのでどんな感じになるのかとワクワクだったんですが、第一声から正一の底知れなさが表現されててヒェッてなりました。

正直、トラック5と6は加瀬さんに半分くらい意識が持っていかれてました。ベテランの方ならではの重厚感もあったし、淡々とした中にある狂気とか、本性表した時なんか、原作より5割増しされてた気がする。

インタビュー読む限り、加瀬さんはメイン4人と別録りだったようで、特に誠一郎くんとの掛け合いは一緒録りver.も聞いてみたかったな!もちろん、別録りでも十分堪能できたんですが、掛け合うことでお芝居が変わったんじゃないかと思うと、コロナ禍……ぐぅ!となりますね……。

余談ですが、「海くん、ご挨拶しなさい*1」を聞いて攻めをやってくれ!!!!!と思ったの私だけ?受けに「そう、いい子だね」って言う台詞が似合うおじ様な攻めをやってほしすぎた。

東の武田さんは「龍が如く7」のマフィアのトップであるソンヒ姐さんで知っていたんですが、貫禄と色気がある女性声でめちゃくちゃ好きだったし、姉御肌な東にピッタリだった~!!!かっこいい女を体現した声だと思う。

ミカギと海の母親が精神を病んでヒステリーになっており、女性の金切り声や、2人が子どもの頃にひどい目に遭うシーンなどがあるので、そういった描写が苦手な方にはあまりおススメできないのですが、満足度が高い作品だったので個人的には聞いてほしいなと思います!

最近、話の中に大きな出来事があったり境遇が辛いキャラが出てくる作品をあまり聞いていなかったので、かなり新鮮な気持ちで今作を聞けました。

ここまで書いてきて、絡みシーンの感想を書く余裕がないくらいそれ以外のお芝居が濃く、昔、絡みシーンは苦手だけどドラマ部分を聞きたくてがんばって聞いていた頃を思い出しました。

絡みシーンはそこまでないものの、話自体は重いので初心者の方には手放しで勧められないしで人を選ぶ作品でしょうが、キャストファンの方にはぜひ聞いてほしいです!!!

*1:漫画読んだらこの台詞がなくて、おそらく脚本の方が足してくれた模様。大感謝している