コエガタリ

声優ファン歴10年のアラサーが声優さんについて書き殴るブログ

蟷螂の檻1

 

 

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発売日:2019/1/25
出演:平川大輔(深山典彦)×山下誠一郎(當間育郎)、榎木淳弥(西浦健一)、水島大宙(當間蘭蔵)ほか

地方名家・當間家の跡取りとして厳しく育てられてきた育郎は、座敷牢に匿われる妾腹の兄・蘭蔵に父の関心のすべてを奪われていた。

辛くとも気丈にふるまう育郎だったが、そのそばには、常に一人の男がいた。
典彦。
育郎が幼い頃から仕える年上の使用人である。

典彦は、孤独な育郎を蛇のように愛でた。
深い口づけを教え、性処理とうそぶきながら股を開かせ、その長い指で尻を抉った。
そうして育郎に快楽の種を植え付け体をいやらしく変えていった。

そして数年後、事態は一変する。
當間家当主が死に、育郎が次代を継ぐ時が来てーーーー!?

 当時、山下くんメインと聞いて買おうかと思ったのですが、あらすじなどを調べるうちに、世界観がかなり暗いと知り、気にはなりつつも手元に置くのを躊躇していた今作。

結論としては、そこまで心構えをする必要なく聞けました。
ただ、地雷ポイントは多いです。初っ端から暴力シーン、精神を病んだ女性の金切り声、女性との絡み、子ども(声優さんは女性)とのキスなどがあるので注意が必要です。
あと、音声だけだと何をしているのか分からない箇所が多かったので原作を片手に聞いた方が良さそうです。

感想を一言でいうと、「救われない」。原作未読なので今後の展開は分かりませんが、ハッピーエンドになる未来が見えない…。育郎は父親から見向きもされず、精神を病んだ母親とは早めの段階で離ればなれになり、親からの愛情をほとんど受けずに育った子だし、蘭蔵は発達障害を持ち、監禁のような状況できっと助けを求められないまま父親の相手をさせられ、西浦は混血のせいで差別を受けていて。揃いもそろって境遇がつらすぎる!間違いなく一番やばいのは典彦ですよね…。育郎とくっついても2人で暗い底に沈んでいく図しか思い浮かばない(笑)
1トラックごとにメイン4人の人物の深堀りがあり、最後のトラックは過去話として育郎と典彦の肉体関係の始まりと、これでようやく物語が動き出す!というところで終わってしまったので、続きが気になるところです。

山下くんはかなり擦れていて、強がりや諦めを感じさせる声。悪口を言う部分とか、性悪さが出る台詞はさすがだなと。あと、ここまで怒りの感情を剥き出しにしてる声はCDだと初めて聴いた気がします。「ロストバージン」の役は常に怒って悪態はついていたけど、今回は蘭蔵に対する恐怖からくる怒りで感情のメーターが大きかったと思う。
トラック5の過去話の育郎はまだ真っすぐさがあるのか、声色がいつもの山下くんで心底安心したのは私だけではないはず。山下くんの声には誠実さや真っすぐさがあるから、根っからの性悪には不向きなんだろうなと改めて思いました。
トラック2の最後に少し、トラック5に最後まではしてないけどラウンドシーンがあるんですが、個人的にはこれに代金払ったと言っても過言ではないです。
育郎に指を舐めさせるシーンがあるんだけど、SEと声の出し方がツボすぎて最高!!!山下くんのラウンド関連のお芝居で一番好きなの、そういうやつだわ!!!となりました(笑)あと、トラック5に関しては全編癖に刺さりまくりで大変でした。
一つ希望を言うと、育郎は普段とラウンドのギャップが大きいのが魅力だと思うので、次回以降はもう少し乱れてほしいです。トラック2の少しのシーンで判断するのは早いかもしれないけど、まだ固いなと個人的には思ってしまった。

平川さんは山下くんと逆で世界観に合いすぎだし、表には出さないけど内に秘める独占欲を持つ役がハマり役でした。平川さんはベテランの域の人なのでなんでもお上手だけど、今作みたいな鬱々として、湿度が高い雰囲気は特にピッタリだと思ってます。あと、執着心強めのヤンデレ攻めとかハマってて好きです。
今回はまだ、感情の機微がなくて、モノローグ部分で育郎に対しての歪んだ愛情を吐露するシーンだけですが、今後どんどん表に出てくるようなので、そこからが本領発揮だと思われます!楽しみです!!
水島さんは相当お久しぶり。発達障害の役なので、「あー」「うー」といった小さい子どもが発するもはや音の台詞のみでした。発達障害のキャラが出てくる作品は聞いたことがないかも。こちらも今後どうなるのか楽しみです。

榎木くんはすごく真っすぐな青年で、かなりハマり役だったと思います。担当トラックの「僕が守ります」って台詞が印象強いです。唯一の良心…。

最近多い学生やリーマンのラブコメオメガバースなどの特殊設定が飽きたな、と思ったら今作は良い刺激になるんじゃないかと思います。たま~に聞きたくなるやつ。